家づくりは生涯に幾度とない経験です。経験不足が失敗を招くこともありますが、なるべくなら避けたいものですね。そこで参考にしたいのが家づくりの先輩の失敗談。実際にどんな箇所で失敗しているのでしょうか。
◆リビングに家具を入れたらテレビと適切な距離が取れなかった。 ◆クローゼットは広いのに、扉が狭くて出し入れが不便。 ◆床下収納が深すぎて使いづらい。 ◆タンスを置いたらコンセントが隠れてしまった。 ◆照明が少なかった(多すぎた)。 ◆となりの家と窓の位置が同じになってしまった。
などが代表例です。失敗を避けるためには何でもプランに盛り込むのではなく、優先順位を決めて絞っていくことです。また、常に全体のバランスに配慮することが重要です。
日本は地震列島と呼ばれるほどで、1995年に起きた阪神・淡路大震災では多くの家屋が倒壊し、6400人以上が亡くなりました。地震直後に建物などの直接被害によって死亡した人のうち、80%以上が住宅や家具による圧死・窒息死だと言われています。我が家の地震対策も気になりますね。 耐震補強工事の一番の目的は、ずばり「倒れない家を作ること」だそうです。新築の家なら専門家の意見を十分に聞き、柱の配置や部屋の構造に気を配りましょう。部屋に家具をおくときも金具で固定するなど、個人でも非常事態を想定しておきたいものです。 既存の家でも耐震工事によって強度を高められます。ただ、耐震工事を装った詐欺のニュースを耳にしますので、飛び込み営業にはくれぐれもご注意くださいね。
「シックハウス症候群」とはご存知のように、建物が原因でそこに住む人がめまいや吐き気、体の不調などを訴える症状のことです。 その最大の犯人は、“新建材”と呼ばれる建設資材です。住宅の注文が増えたはいいが職人が足りない……。そんな問題を解決するために、見た目が良くて扱いやすく、コストを下げられる新建材が登場しました。ところが、新建材に含まれている化学物質が原因で病気になる人が増えてしまったのです。せっかくの良い家でも体に悪いようでは元も子もありませんね。 新築住宅の場合、入居は完成からしばらく経ってからのほうがいいそうです。また、入居後に有効な対策は換気です。換気扇の利用はもちろん、相対する窓を2ヶ所で開け、空気の通りを良くしましょう。これからの季節は温度が上昇するので、夏場は特にこまめな換気を心がけてくださいね。
住まいの収納計画を立てるとき、キッチンやクローゼットなどに比べ意外な盲点になるのがリビングです。とくに、テレビやオーディオ機器の収納は家の設計段階から考えておきたいものです。最近のテレビは薄くはなりましたが、大型化が進んでいるため置き場所に苦労します。まずテレビの位置を決めたら、同時にDVDやCDといったソフト類の収納スペースも大目に確保しておきましょう。暮らし始めたらいつの間にかソフトが増えてテレビの周りに山積み……。こんな状況は避けたいものですね。 市販の家具で対応する手もありますが、最初から造りつけの収納を検討してみてはいかがでしょう。オーダーメイドなら置くスペースに無駄がなく、機器の収まりや配線などにもきめ細かく対応できます。家族のアルバムなども収納できるようにしておくと手軽に取り出せて便利ですよ。
背が高い(低い)ので既製のキッチンセットは使いづらい、という人は少なくないでしょう。キッチンで行なう作業は、洗う・刻む・炒めると様々で、作業によって使いやすいキッチンの高さが異なります。どの作業を重視して高さを決めるかは人それぞれですが、最近は洗いもの作業を基準にする方法がよく採用されているようです。 シンクの高さを出す式は、「身長×0.274+40.994」。この高さにした場合、刻む作業はシンクに落とし込んで使うまな板で高さを調整し、コンロは一段下がっている形式のものを選ぶといいそうです。本来は身長に合ったオーダーメードが理想的ですが、現状は既製のキッチンセットの下を調整して高さ合わせることが多いようです。また、歳をとると背が縮んだり腰が曲がったりすることもあるので、そのへんも考慮しておいたほうがよさそうですね。