部屋の空気を入れ換え、明るい光りを取り込んでくれる窓。しかし、この「当たり前」の機能も、ただ取り付けるだけでは十分に生かされないことをご存知ですか?配置・大きさ・数…など窓にもたくさんのチェックポイントが隠れています。 まず風通しを考えると、風が吹き抜けられるよう、できれば一部屋に2ヶ所の窓を付けたいものです。採光面では、棚や勉強机が窓にかかると光の妨げになりますし、テレビを置く場合は窓の位置によって太陽光が当たって見づらくなってしまうケースがあります。そこで家具や電化製品をどこに置くか、すべての部屋に記入してから窓の大きさや位置を決めると、分かりやすく、間違いもありません。 次に、プライバシーの問題も考えてください。広い土地に家を建てる場合はよいのですが、隣接する家があるときは隣家の窓がどの辺りにくるのか、図面上であらかじめ確認しておきましょう。「窓の位置が重なって『開かずのマド』になってしまった…」なんて、話を聞いたことのある人も多いと思います。同じく、浴室の窓はできれば道路に面しないように。もし面してしまうなら、目隠しのための面格子をあらかじめ取り付けておくことをおすすめします。
押入れやクローゼットなどの物入れ作るときのチェックポイントです。 まず物入れをいくつか並べて付ける場合、小さな扉が集まると見た目があまり良くないので、大きい扉を一つ取り付けて中を仕切るようにしましょう。中にパイプハンガーを付ける場合は、壁の内部に下地を作っておきます。こうすれば、ネジやクギがしっかりと固定され安定します。さらに広い空間を有効に使うために、押入れは状況に応じて3〜4段の棚を作っておくと便利です。こうしておけば、後から市販のラックなどをわざわざ買う必要もありません。 また物入れには、天井を一部開けられるようにしておく(天井改め口)を作ると、雨漏りや電気配線を変更するときなどに役立ちますよ。
エアコンは、私たちの暮らしに欠かせない存在です。配管や室外機にも気を配って、より快適に過ごせるようにしたいものですね。 まずは室外機ですが、排気の障害になるものがないか確認してください。排気がスムーズにいかないとリターン(*)という現象を起こし、正確に動かないばかりか、故障の原因になってしまいます。 またエアコンのすぐ近くに物入れなどが付いている場合は、扉がきちんと開くかどうかチェックが必要です。距離が接近しすぎていると、エアコンを取り付けたときに扉があたって、開けにくくなってしまうこともあります。 また各部屋の暖房は、どんな種類の暖房機器を使うのか、どこに置くのかを考えて、必要ならばコンセントを付けておくと便利ですよ。
(*)リターン エアコンや室外機から吹き出す風が障害物に当たり、再度機械に吸収されて効率が悪くなってしまうこと。
「玄関は家の顔」とよくいわれますが、お客様の第一印象となるところでもあり、また帰宅した家族を一番最初に迎え入れる場所でもありますから、収まりがよく、落ち着いた設計にしておきたいものです。 まず玄関をスッキリ見せるために、設計の段階で少し廊下の幅を広げておくなどして、空間の広がりを作れるように工夫してください。次に、使用するタイルを選んでから框(かまち*1)の位置を決めるようにし、半端なタイルを出さないようにしましょう。 玄関の収納は、靴が玄関にあふれて見苦しくならないように、家族構成に合わせた下駄箱を置くようにしましょう。下駄箱と傘立ての位置はあらかじめ決めておき、玄関を広く使えるように設計することをおすすめします。できれば、下駄箱以外にもきちんとした収納場所を作っておくとコート掛けやゴルフ道具入れなどに使えて便利ですね。 また、玄関内を水洗いすることも考えて、水がスムーズに流れ出るよう、外側に向かって勾配をとっておくと、掃除がラクにできます。
*1 框…廊下・床などの端に渡す化粧木 *2 幅木…壁と床との境目に張る横板
「どの位置にどんな扉を付けるか」は、暮らしやすい住まいづくりの重要なポイントのひとつです。 まず、開閉する方向やタイプなど扉は人の動く流れ(動線)に沿って計画しましょう。基本的に扉は、右利きの人が多いため左開きに取り付けるのですが、動線によって開き方を変えることも必要です。また、各部屋に一つや二つ家具を置くことを考えて、扉は部屋の隅から離し、家具を置けるスペースを作っておきましょう。風通しのために扉を開放できるよう、ストッパーを付けておくのもいいですね。 このとき、床にストッパーを付けると掃除のじゃまになりますので、壁、または、扉に付ける市販のストッパーを使うことをおすすめします。 次に扉の種類ですが、まず洗面所は、朝など人の出入りの多い時間帯に開け放せる引き戸のほうが便利です。また高齢者のいる家庭の場合、お年寄りが倒れたときなどすぐに開けられるよう、浴室もできたら引き戸にしておくといいでしょう。何かとモノが多くなってしまうキッチンも引き戸がおすすめですね。 ダイニングキッチンの隣に和室があるときは、扉を引き込み戸にして開放部分を大きくしておくと必要に応じて部屋を広く使うことができ、使い勝手が良いです。