私たちの生活に欠かせない照明は、取り付ける場所や用途を考えながら「どんな機能を持った照明にするのか」「どこにスイッチをつけるのか」を選ぶことが大切です。特に、外部の照明などは「とりあえず明るくなればいい」と思ってしまいがちですが、タイマーを利用して消し忘れを防止したり、誰かが入ってきたらセンサーが感知して点灯するなどの機能を付けておくと便利です。またこうした機能は、大きな費用をかけることなく簡単に取り付けできるのもポイントです。 また、廊下に必要以上に明るい照明を付けているご家庭がありますが、あまり電力を多く消費する照明ばかりを付けてしまうと維持費がかかってしまいます。通路だけの用途で使う部分などには、ある程度の明るさを持った照明があれば十分だと思います。 冬の暖房に灯油を使われるご家庭では、灯油の置き場所を決め、その上に照明を取り付けておくことをおすすめします。特に灯油は夜に切れがちなので、照明がないと暗闇でウロウロしてしまい、寒い思いをすることになりかねません。 さらに2ヶ所でスイッチオン、オフの操作ができる3路スイッチは、階段だけでなく人の出入りが激しい廊下や台所に付けておくと、日常生活がグッと快適になります。またトイレや浴室の照明スイッチは、ホタル付き(ライト付きのスイッチ)にし、廊下側に設置しておくと手探りで探すこともなく便利です。
洗面所は家族全員が、しかも時間にせかされながら使うことが多いので、使い勝手の良さをいっそう追求したいものです。また一般的には、洗面台と洗濯機が同居している場合が多く、バケツやごみ箱、ホースなどを置いたりしてなかなか片づかないので、「他人には見せられない…」と思っている人もたくさんいると思います。 ですから、洗面所は多少広めに設計して、棚やごみ箱を置く収納スペースを設け、空間を有効に使いたいものです。それから、下着類やバスタオル、タオルの収納ができる棚なども作っておくと便利ではないでしょうか。洗濯機の上の空間も、洗剤や石けんなどを収納できる棚を作ったり、予算がある場合は乾燥機を付けるなどして活用しましょう。 次に、バスタオル、タオル掛けは用途に応じて使いやすい場所につけるなど、備品の設置場所や水回りは、毎日の生活を見て「どうすれば一番効率がよいのか」人の流れを見て計画されることをおすすめします。また、換気扇を設置すると湯気や臭いが充満せず、快適に家事が運びますよ。
ここでは、暮らしやすさの重要なポイントとなる「電気関係」の総チェックをします。家具の章でもお話しましたが、まずはコンセントが家具や扉の邪魔になるところにないか、取り付け位置を確認してください。また部屋だけでなく、廊下にも付けておくと、掃除の時にわざわざ部屋からコードを引いてくる必要がなくなり便利です。 次にコンセントの種類と数ですが、パソコンを置く場合は周辺機器を含めたくさんの電源が必要になりますので、タコ足配線にならないよう、コンセントを多く付けておくようにします。さらに洗濯機など感電が心配される電気製品は、アース付きコンセントを利用しましょう。 また、玄関に照明付きの下駄箱などを置く場合は、その付近にコンセントを付けることを忘れないようにしてください。
電気の配線を行う時は、「美しさ」にも気を配ってください。まず、屋外から電気を引く「引き込み線」は、美観をそこなわないよう収まりの良い位置に配線するように建築士と相談してください。屋内の分電盤も、納戸の中や階段の下など、人目につきにくい場所に設置するようにしましょう。 玄関扉のオートロックなどのセキュリティシステムや、インターホンなどは使いやすい場所に設置されているか確認してください。例えば3階建てなどの場合でも、玄関から遠く離れていても施・解錠できるようにしておくと、来客時などにすぐ対応できて便利です。また、家ができあがってから二期工事で外溝の工事を行う場合は、よく電源やインターホンの配線工事を忘れるので注意してください。またテレビの配線の中には、あらかじめケーブル線を入れておくことをおすすめします。いざケーブルテレビを導入したときに、屋内配線が露出してしまいます。 家の中で複数パソコンを使う場合は、親機から各パソコンまでLANケーブルの配管を行っておくとインターネットが手軽にでき、見た目もきれいです。この時、電気の配線とLANケーブルの配管を20cm以上離しておかないと、パソコンがノイズをひろってしまうので注意しましょう。
車庫は、車の長さギリギリに作ってしまうと、排気ガスで後部が真っ黒になってしまう心配があります。また車を入れて扉を閉めたときや、シャッターやアコーディオン式の門扉を閉めたときでも、車の周囲を歩けるだけのスペースがほしいですね。自転車やオートバイなどを車庫に置かれるときは、置き場所も確保します。また、水道などのメーターを車庫に取り付ける方も多いのですが、車が車庫に入っている状態でも検針できる位置に付けておくことを忘れないようにしましょう。 また、設計段階で車庫からの動線を考えておくことも大切です。もし、車を降りる地点から玄関までの距離が遠いようであれば、遠回りしなくていいように出入口などを奥に作ると便利です。車の中で掃除機をかけたり日曜大工をする時などの電源として、「防水コンセント」もあるといいですね。 さらに、車庫をコンクリートだけで施工する場合は、後から簡単に屋根を付けることができるように、柱が立つ位置に穴を開けておきます。