現代の住宅は、アルミサッシや優れた断熱材のおかげで気密性に富んでいます。冬に暖かい家はありがたいものですが、カビやダニ、またシックハウスの問題があります。そのため効率のよい換気や通風プランがかかせません。 2003年7月以降の新築家屋には、24時間換気システムを取り付けることが法律で義務付けられましたが、他にも効率よく換気するポイントがあります。空気の入り口と出口になるよう、部屋の窓をなるべく離して、対面するように作るのもその一つ。二つの窓の高低差を大きくすると、室内の暖かい空気が上昇して高い窓から出て行き、冷たい外の空気が低い方の窓から入ってくる、「温度差換気」ができます。これは外と内の温度差の大きい冬場には特に効果を発揮します。また、トイレや浴室、勝手口などのドアに開閉式のルーバーが付いた扉を使うと換気に便利ですね。
毎日を快適に過ごすには、外からの騒音はもちろん、我が家の騒音でよそに迷惑をかけないような対策は欠かせませんね。窓はもっとも音が伝わりやすい部分です。二重サッシや、2枚のガラスの間に空気を封入したペアガラスは、防音だけでなく断熱にも効果的です。ガラスブロックも防音性が高いので、凝ったデザインの窓によさそうですね。床材も防音の大切なポイントです。一般的にフローリングよりも畳の方が吸音性に優れていますが、子ども部屋はフローリング床のことが多いですね。その場合、コルクタイルを敷いた上にカーペットを敷くと、防音性が高くなります。ピアノなど楽器演奏の専用室を作るなら、「空気音遮音設計」や「固体音遮音設計」など、設計の段階で防音を考えた方がいいかもしれません。設計・施工業者とよく相談しましょう。
トイレの設計はつい後回しになりがちです。しかしプライベートな空間だけに、こだわりを持ちたい人も多いようです。思いきってスペースを広くとると、日常生活に意外な安らぎを与えてくれる空間になります。壁と便器のすき間に余裕があれば、掃除がしやすいので気持ち良く使えます。また、将来的な家族の介助のことを考えると、2〜3畳ほどの広さがあった方がいいでしょう。扉を引き戸にするなど、空間を有効に使いたいですね。合理的な設備配管のために、トイレは水廻りゾーンにまとめて設けます。また、2階建て家屋の上下階にトイレをつくる場合、縦に同じ位置に設けると縦配管に直接接続できます。化粧スペースがあったり、窓からの移ろいが見えたりすると、トイレはゆったりとくつろげる空間になります。ショールームやカタログを見てじっくり検討しましょう。