ベランダは、施工の仕方によって、雨漏りなどのトラブルが起こりやすい所です。少し専門的なことも勉強しながら細かくチェックしていきましょう。 まず、ベランダの雨漏りからご説明しましょう。一般的に、ベランダが雨漏りを起こす原因は、床面に敷く防水シートがきちんと施工されていない点にあります。通常であれば、図@のように防水シートは窓の下場でコーキングという水切りのための工事をし、部屋の中に雨が侵入するのを防ぐのですが、防水シートの立ち上げ部分が低いと窓の下場まで手が届かず(図A)、シートの端が押さえられなくなってしまうのです。つまり、図のようにベランダ床面は、最低でも建物本体の床面から15cm以上下げ、きちんとコーキング施工できるだけのゆとりを残しておくことが必要なのです。 さらに、ERPなど防水シートの材質によっては、角の面取りを行ってから施工しないと、熱によって材料が伸縮し、角にひびが入ってしまうケースがあります。手間を惜しまず、メーカーからカタログを取り寄せるなどして適切な施工方法がとってあるかチェックしてみてください。 また、床面は排水のため外側に向かって勾配をとりましょう。部屋の方へ勾配が付いていると、雨漏れを起こした場合、部屋に雨が入ってきます。
お客様を招くこともある和室ですから、特に美しさには気をつけたいものです。そのためにはまず、柱と敷居、鴨居のバランスに注意してください。特に、柱と敷居の太さが違うと畳の縁がカットされてしまい、見た目の美しさが損なわれてしまう場合があるので、柱の位置をずらしてやるなどの工夫をしなければなりません。また、一つの部屋に洋風扉(フラッシュ戸)と襖(ふすま)がある場合は、和洋のバランスにも気をつけましょう。 和室のエアコンは、天袋の中に設置して前に格子を付けるご家庭が多いようですが、格子の枠に風が当たってリターンを起こすことがありますので、エアコンの位置を高くするなどの配慮をしてください。 続いて天井ですが、和室には「目スカシ天井」「竿縁天井」といった種類があります。見た目はもちろん価格も違いますので、業者に任せきりにせず、どちらが合うか家族でじっくり選んで、より理想的な和室に仕上げましょう。
一般的に和室といえば、どのご家庭でも床の間を作られる場合がほとんどです。しかし、仏間となると作るかどうか頭を悩ませる人が多いようです。私自身も、「将来のことを考えて仏間を作ってもおきたいんだけど、今は必要ないし・・・でもただ空間として開けておくのはもったいないのよね」という相談をよく受けます。 こういうとき、私がおすすめしているのは、床の間の横に仏間を作っておき、扉を付けて物入れとして使えるようにしておくことです。こうすれば、見た目の違和感もなく、普段から活用することができて便利です。 また仏壇のほとんどは規格品でサイズが決まっているのですが、古い仏壇の場合だと規格外のものもあります。ですから、建て替えなどで、もともと古い仏壇があるときは、きちんとサイズをチェックしてから仏間の大きさを決めるようにしましょう。
各部屋の設計を行う場合、それぞれの用途に応じた工夫も必要です。まず家族にたばこを吸う人がいる場合は、リビングに換気扇を付けておくことをおすすめします。たばこの煙の影響で壁紙が黄ばんだり、部屋に臭いが染ついてしまいます。また、換気扇は、外部からの空気を取り込む換気口を作らないと効果が半減してしまいますので、吸気ガラリなどの設置も忘れないようにしましょう。 絵や時計など重い物を壁にかける場合は、壁によってはクギやフックが固定できないものがありますので、あらかじめ壁の中に、クギを打つための下地や、アンカー(下図)を入れてもらうようにしましょう。飾りカーテンレールを取り付ける際にも下地は必要ですので、覚えておいてください。 トイレや浴室はもちろん寝室や子ども部屋などのプライバシールームにも、入室しているかどうか確認できる「表示キー」を付けておくと「着替え途中にうっかり部屋をのぞいてしまった!」というハプニングも避けられ、便利ですよ。
樋は熱で膨張して、暑い夏場は3〜4cm伸びてしまいます。特に寄せ棟づくりの場合は、四方に樋が回っていたり、一つの樋が長かったりすると割れてしまうことがあります。 結合部分に余裕を持たせたエキスパンジョンジョイントにする、箱樋を作るなどの方法を考えてください。谷樋を付けるときは、材質をチェックしてほしいですね。鉄板ではすぐに腐食してしまうので、ステンレスか銅板で施工するようにしましょう。 また、集まった雨を排出する縦樋の下部には、排水マスを設置するようにします。土に埋め込む配水管の距離が長くなりすぎると、人が通ったときなどに割れてしまうこともあります。スムーズに排水マスへ流れるように設計することも忘れないで下さい。